14年 俳句のごみ箱     俳句研究室



 大根や引き抜く穴の暗さかな

 大根引く一列の穴整はず

 歩み寄り止まれば飛び立つ寒鴉

 連休や行く当てもなし寒鴉

 春待つやパターのグリップ差し替へて

 紅梅や混み合ふ枝を先に切る

 湯上がりや余寒の風に吹かれをり

 湯上がりや余寒の腰の伸びにけり

 明け鴉余寒の寝床抜け難し

 初物や小粒ばかりの蜆汁

 鞦韆の順番待つ子の目の動き 

 鳥雲に終楽章のピアニシモ

 
鳥雲にソロの提琴ピアニシモ

  ふらここの順番待つ子も揺れてをり    戻る

 昏るるほどさらに怪しき白牡丹 

 明日日曜野菜の苗の品定め
 新緑や狭まる通路横歩き
 

 
裏庭に雀の跳ねて夏めける
 裏庭に子雀跳ねて夏めける
 手打ちとは悪しきスイング五月来ぬ


 
店の隅値下げの花に蟻の訪ふ
 蟻の訪ふ値下げの鉢や店の隅
 屁には屁を言葉の如くこき交わす

 踏みつける芝の厚さや五月来ぬ
 アイスケーキハーモニカのごと口に当て
 蜘蛛小さし蜘蛛の囲小さし獲物小さし
 半袖の腕に蚊の来るガーデニング
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電脳の夏風邪伝染我が脳へ
 モニターをはみ出す顔に玉の汗
 入口で団扇手渡す電気店

 
釣り竿のかざす彼方に鰯雲
 殻割るや朝顔の実の黒い顔
 
秋雲や電線地下に埋めらるる   戻る

  百メートル頭上に整列むくの群
 百メートル頭上に三列むくの群
 百メートル空で整列むくの群   戻る

 
雹かとも激しき音の初霰
 耳澄まし言葉途切れる初霰
  初雪や妻の寝息のリズミカル
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年の果ブロードバンドつひに来ず
 年果つる昇段の夢持ち越して
 二人いて話すともなくおでん酒


 
昇進の夢持ち越して年果つる 
 白菜の球の重さに驚きぬ
 茶の花や主なき庭石燈篭


 
木枯らしや赤信号に背を向けて
 棉虫や飄々と生き銭はなし
 棉虫や飄々と生き地位もなし
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茶の花よ茶の葉に注げよ茶の香り