ホールインワンで思うこと　　大山GC「大山」原稿　　　　　　

　ゴルフは運不運を楽しむスポーツだと思う。
OBショットが松に当って跳ね返って来たという運もあるが、
幸運中の幸運は、何と言ってもホールインワンだ。
　9月23日9時15分、月例の16番で、ホールインワンが出た。
生涯経験しない人だって多いのだから、私は幸運な男と言える。

　ホールインワンが出た時は、意外に感激が少なかった。
跳び上がるような嬉しさはなく、ここで２打挽回できたことを喜んでいた。
近年は、どんなコンペでも、先ず70台で回ることを目標にしているのだが、
目標を達することがなかなか難しくなって来ていた。この日は、
このホールインワンで俄かに70台の望みが湧いてきた。

　ホールインワンといっても、スコアでみればイーグル一個分にしか値しない。
大変な幸運にしては思ったよりいいスコアに結びつかないのが残念な気もした。
何時まで経っても競技志向から抜けきれない自分の姿がそこにあった。
ホールインワンのあと、スコアを乱すようなことはしたくない、とも思った。
後半のアウトの方が１打良かったので、嬉しかった。

　ホールインワンをやって良かったことは、ホールインワンショットが、
どのようなスイングから生まれたのか考えて、スイングを更に研究する
きっかけとなったことである。西部医師会でホールインワン達成に因んで話を
させて貰ったとき、このショットが完璧なスイングから生まれたものだったと、
見得を切ってみた。そして、どうやったらそのスイングが生まれたのかを、
尤もらしく話してみた。大きなことを言ってしまったからには、
それを実証しなくてはならない。

　そこで、スイングの研究にますます弾みがついた。しかし、
技は屈辱をバネに研かれるものだ。
果たして幸運がスイング完成のバネになり得るものだろうか、
楽しみである。

　　　　　　　　　　　　　戻る