| 大山の月例で、初めてホールインワンを経験した.。１３年９月２３日、１６番ホールだった。 ホールインワンはおよそ二千ラウンドに１回の割合で出るという説がある。約一千ラウンドに1回という保険統計もあるという。私の加入している保険会社には約二百万人が加入していて、一年間に3,600件のホールインワンが出ているという。これはだいたい555人に一人という計算になる。やはりホールインワンは希少価値のあることに間違いない。 だから盛大に祝うことになるのだが、アメリカにはそのような習慣はないらしい。記念品を配るという慣習も他国にはあまり例のないもののようだ。精々同伴者にビールなどを一杯振る舞う程度だという。 この滅多に出ないホールインワンを2回やった方は結構いらっしゃるようだ。ところが、それが4回目ともなると少し様相が違うようで、同伴者の言葉を借りれば、達成したときも、少しも慌てることもなく、さりとて喜ぶ風でもなく、さりげなく「もう4回目なのですよ｣とおっしゃったという。そして同伴者に記念品を準備されることもなかったという。 ホールインワンを5回もやった人の言葉は面白い。１回目はすごく驚き、２回目はやっぱり俺にもできたなという感慨があり、３回目はこれで終わりかなと思い、４回目ともなるとちょっと困ったなあという感覚になったという。そして５回目はもういくら入ってもいいやと観念したような気持ちになったという。私は１回目なのだが、この人の２回目の感覚に似ているようだった。 この日は、朝のうちはかなり寒く、半袖のシャツの上にベストを着て、更にビニールのウインドブレーカーを着込んでスタートした。１３番で上を脱ぎ捨て、還暦祝いの赤いベストが目立つようになっていた。 １０番の第２打に７番アイアンを使った。１１番のティーショットも７番アイアン。１２番の第２打は６番アイアンだったが、１３番の第２打はまた７番アイアンを使用。１４番の第３打も７番アイアン、１５番の第２打も７番アイアンを使用した。 そして１６番のティーグランドに立った時、またも７番アイアンを手にしていた。打つ前に独り言のようにつぶやいていた。「なんだか今日は７番アイアンばっかり使っているよう気がするなあ｣と。 １６番の７番アイアンのティーショットは、限りなくストレートに近いフェードだった。打ったあと、大きいかな、と思った。高く舞い上がったボールはピンの手前に落ち、ピン方向に転がった。「入れ！」と、思わず大きな声で叫んでしまった。「入ったようだよ｣という同伴者の声が聞こえてきた。ピンの傍にはボールは見えなかった。 しかし、誰もカップインしたときの音を耳にしなかった。叫び声があまりにも大きかったせいかも知れない。ピンの真後ろで見えにくいこともあると言った人もいた。オーバーしてグリーンからこぼれて仕舞ったかも知れなかった。 ホールインワンのボールがカップインするところをちゃんと見たかどうかがよく話題になる。良いショットでなくてもホールインワンは出るものだが、そういう時にはプレーヤーは目を離すことが多く、自分で見届け損なうことがあるようだ。ティーを拾っていたという人もいた。 私はボールがピンに真っ直ぐ寄っていくところは見えていた。それで大声で叫んだのだが、カップに消えたかどうかはよく分からなかった。逆光で見え難い状況にはあった.。ホールインワンをやったことのある友人は、「おめでとう！ボールがホールに吸い込まれるところまでは見れなかったんだね｣と、念を押すようなメールをくれた。自分はちゃんと見届けたと威張っているのです。 カートがグリーンに近づくにつれて、ホールインワンしかありえない状況が読み取れた。ボールはピンの手前でカップの底に沈んでいた。音もなく滑り落ちたのだろうか。祝福の握手を受け、皆がホールアウトしてから、ボールの落ちたところとピンまでの距離を測ってみた。パターの３倍と３０センチほどだった。この日のグリーンは柔らかく、ボールマークがよく残る状態だった。 ホールインワンの前に７番アイアンを５回も使用していた。２回もガードバンカーに入れたりしてそれほど調子は良くなかった。１１番ではハーフトップで、やっとグリーンを捉えていた。１６番では、ティーアップしたボールをダウンブローに打とうと気を使っていた。ヘッドアップが防げるから右にぼける球も出にくいと思っていたからだ。近年ぼけ球で失敗することが多かったのです。 １７番ではパーが取れた。ホールインワンのあとガタガタになるのはいやだったので、ひとまず安心した。ところが、１８番で３パットしてダボを叩いてしまった。INは４１だった。後半のアウトは４０でトータル８１だった。最終ホールで２度目のホールインワンを狙ったが３パットしてボギー。何とこの日は３パットが５回もあった。全てがファーストパットを大きくオーバーさせて、返しが外れたものだった。こういう日は、もっとパターを使わないで済むようにしないといけなかったのだ。ホールインワンが3回は欲しかった。 戻る |